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 意外に短い?1日の、歯と歯が接触している時間です。
 一度軽く口を閉じて、上下の歯を意識してみてください。歯と歯はほとんど触れ合っていないことがわかりますね。実は現代社会において、1日の中で上下の歯が完全にすべて接触している時間は、約15分であるといわれています。朝、昼、晩と食事の時にかむことによって、歯と歯が接触する時間を積み重ねたのが約15分。しかし、「歯ぎしりの習慣がある場合、長い人では一晩でなんと1時間半も触れ合っていることになります。歯ぎしりで、歯にかかる圧力はチューインガムをかむ時の力の数倍〜数十倍。知らず知らずのうちに歯や歯ぐきの血行に悪い影響を与えているのです。
 歯とそれを支えているあごの骨の間には、歯根膜という組織があり、歯と骨をつないでいます。歯根膜を通る血液はかむことであごの骨のほうに押し出起れ、あらたに血液をとり込みます。まるで心臓のように、血液を循環させるポンプの役目。循環しながら栄養分や老廃物を運んでいます。
 しかし、歯ぎしりのようにあまりに強い圧力が長時間かかると、血管の内側に血栓ができて血液が流れなくなり、ついには血管が退化し消えてしまうこともあります。また、歯ぐきに炎症が起こると歯根膜の根もとの血管のほうまで拡大し、その圧力によって骨の成分か溶け出し、それを肥大した血管が吸収するので歯を支えきれなくなり、歯か歪んだりぐらついたりしてきます。いわゆる「歯が浮く」というのは、この状態のこと。歯根膜が腫れているというわけです。
 これらのトラブルを防ぐには、実は、ブラッシングが非常に効果的。ブラッシングにより歯肉を刺激することは、血行だけでなく、歯と歯ぐきの間を流れる自浄作用がある液体の分泌を促進するのです。あごの骨から血液を押し出すことを意識して、歯ぐきの下のほうよでブラッシングしましよう。

お話/湘南短期大学 学長歯学博士 高橋和人

 脳のゴールデンタイムは朝食の1〜2時間後にやってくる
 健康のために朝食が大切なのは知られていますが、脳の活動にとっても朝食は欠かせません。脳のパワーが全開になるのは、食事をした1〜2時間後から。特に朝は睡眠で身体の疲れも回復しており、それに食後の要素が加われば、まさにこの時間帯こそ脳のゴールデンタイム。
 食事で血液中のブドウ糖値が高くなると、腸内と脊髄でつくられるホルモン(CCK、FGFなど)が脳内に放出されます。これらが記憶や学習に関係する大脳新皮質、海馬、視床下部を刺激して、記憶力や学習効果を高めるのです。
 特に朝食が重要なのは、眠っている間の脳がエネルギーを摂取できないため。睡眠中も脳や内臓は活動していますが、内臓など他の器官がブドウ糖を保存できるのに対し脳はそれができません。朝の脳はブドウ糖を使い切ってスタミナ不足。朝食は空腹状態の脳にエネルギーを補給する大切な役割があるわけです。
 血糖値を上げる即効力となるのは甘い物やフルーツですが、何より大切なのはよくかむこと。脳を活性化するホルモンが咀嚼によって分泌され、頭を理想的なスタンバイ状態にしてくれます。
 よくかむためには、食事環境も大切な条件。テレビを見ながら一人で黙々と食べる朝食では、時間をかけずに流しこんでしまいがちです。元気でよく働く脳をつくるためにも、ご家族でゆっくり朝食を楽しむことを習慣づけましょう。

大島清 (おおしまきよし)
1927年広島生まれ。東京大学医学部卒。ワシントン大学助教授、京都大学霊長類研究所教授を経て、現在、京都大学名誉教授、愛知工業大学客員教授。専門は大脳生理学。執筆、取材、講議、講演などにエネルギッシュな活動を続ける。『子供が伸びる脳の育て方』など、脳の発達の見地から子育てに関する著書も多く記している。

 カリエスリスク検査でわかるむし歯のなりやすさ

 毎日同じように歯みがきをしていても、むし歯になりやすい人となりにくい人がいます。カリエスリスクとはむし歯になりやすい危険度で、最近は多くの歯科医院でそれを調べる検査が行われています。
 方法は簡単な唾液検査と問診で、むし歯菌や歯垢の量のほか、唾液の量や性質をチエック。中でもむし歯発生に大きく関わる唾液には口の中の酸性度を中和する働きがあり(緩衝能)、その力も測定します。
 カリエスリスクはむし歯菌だけでなく、唾液の状態や食生活、歯みがき習慣などが相互に関わりあって決まるもの。それは人それぞれに違うので、本来はむし歯予防も十人十色のケアが必要なのです。自分の口の中の健康状態は、自分に合った予防を身につけるための重要なデータとなります。

カリエスリスク・テストとは?
@むし歯菌の数
A唾液の緩衝能
B唾液の量や性質
C飲食回数
Dむし歯の経験
Eプラークの量
これらを総合的に評価してむし歯になる危険度を判定します。

 歯のかみ合わせの良し悪しが運動能力を左右する!?

 歯を食いしばって力を発揮するスポーツ選手に欠かせないのが丈夫な歯。これはスポーツ選手に限った話ではありません。
 健康な歯でかみ合わせた接触面積を100%とすると、臼歯8本にむし歯がある場合の面積は約30%。むし歯があるとかむ力は約3分の1に低下してしまいます。
 かみ合わせ面積によって中学生を3グループに分類し、握力、背筋力、50m走、八ンドボール投げなどの運動テストを行った調査があります。その結果、すべての運動でかみ合わぜのよい生徒グループほど高い記録が出ました。かみ合わせ面積の小さなグループと比べると、50m走で03秒、走り幅跳びで25p、八ンドボール投げでは2mも上回ったのです。子ども達の身体能力を伸ばすためにも、むし歯は早期発見、早期治療を心がけましょう。
出典/『歯のふしぎ博物館』岡崎好秀著


 映画の中のデンタルシーン

【マイノリティーレポート】
 すべての行動や情報が監視され、殺人事件がゼロになった2054年のアメリカ。犯罪予防局ではプリコグという予知能力者が見る夢によって将来起こる殺人をキャッチ、犯行前に犯人を逮捕できたからでした。
 それを取り締まる刑事ジョン(トム・クルーズ)が殺人犯として予知され、未来の罪の潔白を証明しようとするSFサスペンスです。
常に覚醒と睡眠の間を漂うプリコグ。世話をする係員が彼らの歯をみがくシーンがあります。慣れた手つきで電動八ブラシを使う様子には、病床にある人や高齢者に対する歯のケアにも通じるヒントが。楽しく話しかけながら歯をみがいてあげる習慣は、毎日少しずつ相手の意識を刺激して脳の活性化につながります。。

日本歯科医師会デンタルマガジン 朝昼晩 Vol.13(2004/2)より 


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 歯の超基本的役割=「噛むむこと」は、こんなに重要だった。

 むかしむかしから、食事どきに言われ続けている、有名な決まり文句。その言葉とはつまり、「しっかり噛んで食べなさい」。きっと誰でも一度は耳にしたことがありますよね。
もちろん、イメージとして「よく噛むこと」が大切なのはわかります。しかし、実際、それはとてもとても役に立つことなのでした。
まずは、唾液によるさまざまなメリット。たとえば、口の中の自浄作用。噛めば噛むほど唾液が分泌されます。そして、それが口の中をつねにキレイにしてくれるということ。さらには、緩面能.これは、ロの中ではびころうとするよくない細菌を唾液が薄めてくれる作用。唾液には細菌が成長するのを抑える物質が含まれているのです。ロ中が酸性になって奪われた歯の表面のカルシウムを補綴(=再石灰化)する効果もあります。
それ以外にも,噛むことには、内臓での栄養素の消化吸収をより良くする効果もありますし、脳に刺激を与えることも。むかしから、お母さんは正しいことを言っていたのですね。


 歯の硬さはどのくらい?そして、その秘密は?硬さを増すには何が効く?

 歯は人間の体の中でも一番硬いパーツ。その硬さはおよそ水晶に匹敵するといわれています。実際に、治療などに使われる素材も、この硬さに応じたものがほとんど。たとえば詰め物として使われるゴールドとプラチナの合金などや、義歯の素材にしばしば使用されるハイブリッドセラミックスも、歯の硬さにきわめて近いもの。白すぎる歯が不自然なように、硬すぎる素材も、人聞の体にはよくないのです。
ならば、歯がつくられる時期に内部から歯を硬くすることが理想。歯の表面を構成するエナメル質を作り出すのはビタミンDです。豊富に含む食品はしらすぼし、あん肝、うなき蒲焼きなどなど。おいしくて歯も硬くなれば最高ですね。


 本当に真っ白でいいの?年齢別・民族別歯の白さについて

 真っ白な歯は、いつの時代も立派なチャームポイント。しかし、実際には、歯そのものは真っ白ではないのです。人聞の歯は、本来、多少黄色みを帯びているもの。ホワイトニングがいくら流行しても.自すぎる歯は不自然です。
また、基本的には人種や民族によって歯の色は変わりません.黒い肌の持ち主の歯がとても自く見えるのは、単なる対比の問題だとか。ただ、歯のサイズに関していうと、北欧の人々はかなり大きく、根も深いのです。ある歯科医師によると、「抜くのにすごく時間がかかるね」。
年齢的なことでいうと、若い人のほうが歯は白い。歯には歯髄腔という、神経の部屋のようなスペースがあるのですが、年を経るにつれて、そこに固い裏打ちのようなものができてきます。すると、歯は少し変色して見えるようになる。しかし、それは当然のことなのです。

日本歯科医師会デンタルマガジン HAPPY SMILE Vol.11(2003/10)より 


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