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口臭を気にしすぎる人が増えている。
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最近、自分の口臭が「気になる」という人が増えています。
なかには、気にしすぎて人とのコミュニケーションが上手にいかず、生活にも支障が出る人も少なくないようです。
しかし実際は、“本人だけが気にしている”と言うケースがほとんど。人は生きている限り、無臭ではありません。たとえ本当に口臭があったとしても、
原因がわかれば、そのほとんどは解消できます。今回は、東京医科歯科大学大学院の教授・川口陽子先生に口臭の原因と予防・解消法についてお話をうかがいました。
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悩むよりもまず、口臭に関する正しい知識を持ちましょう。
人とのコミュニケーションは社会生活を送る上での重要な要素です。ところが、口臭を気にするあまり、つい顔をうつむきがちにして話してしまい、その自信なげな態度が相手に悪い印象を与えてしまったり、ある人が「口が臭い」と何気なく言った一言で、人前で話すことが恐怖になってしまう…。このような不安な心の状態を「口臭ノイローゼ」と言います。近年の清潔志向の高まりを反映してか、こうした悩みを抱えている人が増加しています。
しかし実際のところは、人に不快感を与えるほどの臭いはなく、本人だけが気にしているといったケースが多いようです。実際に口臭がある場合には必す原因があり、その原因を解決することで、口臭は解消できます。口臭で悩む前にまず、口臭に関する正しい知識を持ちましよう。
口臭の原因は9割以上が口の中に。
最近の研究では、口臭発生の約9割は口の中に原因があることがわかってきました。川口陽子先生によると「口の中には何百億という細菌が存在しています。これらの細菌が食べかすなどを分解する際に口臭のもととなる臭気成分が作り出されます」とのこと。主な臭気成分は、メチルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドという3つの揮発性硫化物です。これは下水などの悪臭の原因と同じガスですが、心配はありません。きちんと口の 中のケアを行えば、その発生を予防することができます。
では、口臭の原因とその解消法について川口先生に聞いてみましよう。
生理的口臭
「まず、起床時や空腹・疲労時、緊張した時などに感じる口臭を生理的口臭といいます。特に起床時には強い口臭を感じる人も多いでしょう。これは寝ている間、唾液の分泌が少なくなって細菌が増殖し、口の中が汚れるから口臭レベルが高まるのです」。
しかし、こうした一時的な口臭は歯みがきやうがいなどで解消できるもの。「生理的口臭は健康な人でも起こる正常な反応であり、気にしすぎる必要はありません」と川口先生は強調されます。
病的口臭
治療の必要がある疾患や機能低下、改善すべき原因があるものを病的口臭と言います。
(1)舌苔(ぜったい)
なかでも、口臭の最大のげんいんと考えられているのが舌苔です舌苔とは新陳代謝によって脱落した粘膜細胞や白血球などの血球成分が舌についたもので細菌によって分解されると悪自が発生します。「舌苔が付着やすいのは、舌の奥の部分ですこの部位をやわらかい歯ブラシや舌ブラシでそっとみがきましょう。ただし味蕾を傷つけないため強くみがきすぎないように注意してください」。(図参照)
*粘膜細胞-粘膜の表面にある皮の部
(2)歯周病・むし歯
歯周病やむし歯も口臭の原因となります。まず、口の中の清掃が不十分だと歯垢がたまり、酸素供給のない歯垢層の深部に嫌気性菌が増殖します。
この嫌気性菌が歯周病を進行させ、さらに破壊された組織や血球成分などのたんぱく質成分を分解し、悪臭を作り出すのです。
むし歯の場合、深い大きなむし歯があったり、多数のむし歯があると口臭の原因になります。
「歯周病やむし歯が原因の場合、歯科医院での治療と、毎日のケアをしっかり行うことが大切です」。
(3)唾液分泌の減少
唾液には、口の中を洗浄・殺菌する働きがあります。ですから、唾液が減少すると口の中が汚れ、口臭が強くなります。年を重ねると口臭が強くなってくるのは、唾液量が減少するからです。また食事を抜いたり、抗圧剤などの薬の副作用で唾液の量が減ることもあります。
口が渇いていると感じた時は、うがいをしたり、お茶を飲んだり、また、舌や口を意識的に動かして、唾液の分泌を促してみるのも良いでしょう。
心因的口臭
生理的な口臭以外は認められないのに、気にしすぎて人と話さないことで口臭が悪化する場合があります。これを心因性口臭といいますが、解決法は、なによりもまず気にしすぎないことです。それでも気になる人は、歯科医院で口臭の検査をしてもらうことです。
セルフケアと歯科健診で口臭を予防する。
最近、子どもの口臭について歯科医院を訪れる人が増えているようです。しかし川口先生は「新陳代謝が激しい子どもは、熱を出したときなどに一時的に口臭が強くなることがありますが、心配することはありません」とおっしゃいます。ただし、口臭の原因となる歯肉炎やむし歯にならないよう、日頃から口の中の健康に注意してあげることが大切です。「乳歯、永久歯とも生えてから1〜2年は特にむし歯になりやすいので注意が必要です。歯を丈夫にする作用のあるフッ素を利用するのもむし歯予防には特に効果的です」。
大人だけでなく、子どもの口臭まで気にするようになった現代。しかし、一時的な口臭は誰にもみられます。きちんと予防を行えば口臭 について悩む必要はありません。「歯と口の健康を守ることで、ほとんどの口臭は予防できるもの。それには、セルフケアだけでなく、歯科医院での定期健診を受けることも大切です」と川口先生はアドバイスしてくれました。
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川口陽子(かわぐちようこ)
●東京医科歯科大学歯学部卒業。現在、東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野教授。口腔疾患の予防・疫学、歯科保健医療システム、オーラルヘルスプロモーション、国際歯科保健について主に研究を進めている。 |
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日本歯科医師会デンタルマガジン 朝昼晩 Vol.9(2002/2)より |
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